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2019.10.01
【経営】65歳以上の高齢者総人口に占める割合は世界で最高、就業率も高水準に
総務省統計局から、「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」が公表されました。これは、「敬老の日」を迎えるに当たって、統計からみた我が国の65歳以上の高齢者の人口と就業の状況について取りまとめられたものです。総人口が減少する中で、高齢者人口は3588万人と過去最多で、総人口に占める割合は28.4%と過去最高となっています。各種の統計調査の結果が紹介されていますが、主要なものは次のとおりです。
- 高齢者の人口(人口推計2019年9月15日現在)
我が国の総人口(2019年9月15日現在推計)は、前年に比べ26万人減少している一方、65歳以上の高齢者(以下「高齢者」といいます。)人口は、3588万人と、前年(3556万人)に比べ32万人増加し、過去最多となりました。総人口に占める割合は28.4%と、前年(28.1%)に比べ0.3ポイント上昇し、過去最高となりました。
男女別にみると、男性は1560万人(男性人口の25.4%)、女性は2028万人(女性人口の31.3%)と、女性が男性より468万人多くなっています。
人口性比(女性100人に対する男性の数)をみると、15歳未満では105.0、15~64歳では102.6と男性が多いのに対し、65歳以上では76.9と女性が多くなっています。
年齢階級別にみると、いわゆる「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ)を含む70歳以上人口は2715万人(総人口の21.5%)で、前年に比べ、98万人増(0.8ポイント上昇)となりました。また、75歳以上人口は1848万人(同14.7%)で、前年に比べ、53万人増(0.5ポイント上昇)、80歳以上人口は1125万人(同8.9%)で、21万人増(0.2ポイント上昇)となりました。(表1)
総人口に占める高齢者人口の割合の推移をみると、1950年(4.9%)以降一貫して上昇が続いており、1985年に10%、2005年に20%を超え、2019年は28.4%となりました。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この割合は今後も上昇を続け、2025年には30.0%となり、第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)に生まれた世代が65歳以上となる2040年には、35.3%になると見込まれています。(図1、表2)
2019年の高齢者の総人口に占める割合を比較すると、日本(28.4%)は世界で最も高く、次いでイタリア(23.0%)、ポルトガル(22.4%)、フィンランド(22.1%)などとなっています。(表3、図2)
- 高齢者の就業(労働力調査2018年平均)
2018年の高齢者の就業者※1)(以下「高齢就業者」といいます。)数は、2004年以降、15年連続で前年に比べ増加し、862万人と過去最多※2)となっています。
※1)就業者とは、月末1週間に収入を伴う仕事を1時間以上した者、又は月末1週間に仕事を休んでいた者
※2)比較可能な1968年以降
高齢就業者数の対前年増減をみると、「団塊の世代」の高齢化などを背景に、2013年以降大きく増加しており、2013年から2016年までは主に65~69歳で増加、2017年以降は「団塊の世代」が70歳を迎え始めたことなどにより、主に70歳以上で増加しています。(図4、図5)
2019年において、総人口に占める高齢者人口の割合は「28.4%」。今後さらに上昇が見込まれています。
また、高齢者の就業率が高いのも我が国の特徴です(これは、2018年の状況ですが、就業者総数に占める高齢者の割合は、「12.9%」と過去最高)。各企業においては、高齢者の就業環境を整備していくことが不可欠といわれており、統計調査の結果が、その重要性を再認識させられます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
参照ホームページ[総務省統計局]
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1210.html