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2022.04.01
【税務】「パンフレット「令和4年度税制改正(案)のポイント」」を公表
財務省ホームページで「パンフレット「令和4年度税制改正(案)のポイント」」が公表されました。公表された「パンフレット「令和4年度税制改正(案)のポイント」」は14ページのパンフレットで、「令和4年度税制改正の大綱」(令和3年12月24日閣議決定)及び「所得税法等の一部を改正する法律案」(令和4年1月25日閣議決定)の内容を分かりやすくまとめたものです。法案成立前の内容であることにご留意ください。
令和4年度税制改正(案)では、成長と分配の好循環の実現に向けて、多様なステークホルダーに配慮した経営と積極的な賃上げを促す観点から賃上げに係る税制措置を抜本的に強化するとともに、スタートアップと既存企業の協働によるオープンイノベーションを更に促進するための措置を講じます。また、カーボンニュートラルの実現に向けた観点等を踏まえ、住宅ローン控除等を見直します。
1 個人所得課税
住宅ローン控除制度の見直し(案)
■ 住宅ローン控除の適用期限を4年延長(令和7年12月31日までに入居した者が対象)します。
■ 2050年カーボンニュートラルの実現に向けた措置
・省エネ性能等の高い認定住宅等(※1)につき、新築住宅等・既存住宅ともに、借入限度額を上乗せします。
・令和6年以降に建築確認を受けた新築住宅につき、省エネ基準への適合を要件化します。
■ 会計検査院の指摘への対応と当面の経済状況を踏まえた措置等
・会計検査院の指摘への対応として控除率を0.7%(現行:1%)としつつ、新築住宅等につき控除期間を13年へと上乗せ(※2)します。
・住宅ローン控除の適用対象者の所得要件は合計所得金額2,000万円以下(現行:3,000万円以下)とします。
・合計所得金額1,000万円以下の者につき、令和5年以前に建築確認を受けた新築住宅の床面積要件を40㎡以上に緩和します。
※1 「認定住宅等」は、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅のことを指す。
※2 控除期間につき、新築等の認定住宅等については令和4~7年入居につき13年とし、新築等のその他の住宅については令和4・5年入居は13年、令和6・7年入居は10年とし、既存住宅については令和4~7年入居につき10年とする。
2 資産課税
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の見直し(案)
■ 非課税限度額を見直した上で、適用期限(令和3年12月31日)を令和5年12月31日まで2年延長します。
【適用要件】
・住宅面積:床面積50㎡以上240㎡以下の住宅用家屋(合計所得金額が1,000万以下の者:下限を40㎡以上に引き下げ)
・受贈者:直系卑属(合計所得金額2,000万円以下など)
登録免許税におけるキャッシュレス納付制度の創設(案)
■ 登録免許税の納付については、現金納付を原則(一定の場合には印紙納付も可)としつつ、オンライン申請の場合に限り、インターネットバンキング等による納付が可能とされています。今般、規制改革実施計画(令和3年6月18日閣議決定)を踏まえ、書面申請の場合にもインターネットバンキング等による納付を可能とするとともに、クレジットカード等による納付も可能にします。
※令和4年4月1日から施行
3 法人課税
積極的な賃上げ等を促すための措置(案)
【大企業等】
■ 積極的な賃上げを促す観点から、継続雇用者の給与総額を一定割合以上増加させた企業に対して、雇用者全体の給与総額の対前年度増加額の最大30%を税額控除できる制度とします(2年間の時限措置)。その際、一定規模以上の大企業に対しては、マルチステークホルダーに配慮した経営への取組みを宣言していることを要件とします。
■ 賃上げや人材投資(教育訓練費)に積極的な企業に対しては、税額控除率を上乗せします。
【中小企業】
■ 中小企業全体として雇用を守りつつ、積極的な賃上げや人材投資を促す観点から、控除率の上乗せ要件を見直すとともに、控除率を最大40%に大胆に引き上げた上で、適用期限を1年延長(令和6年3月31日)します。
オープンイノベーション促進税制の拡充(案)
■ ベンチャー企業と既存企業の協働によるオープンイノベーションを促進する観点から、対象となる一定のベンチャー企業の設立経過年数の要件や特別勘定の取崩しが不要となる株式保有期間等の見直しを行った上で、適用期限を2年間延長(令和6年3月31日)します。
【適用対象となる一定のベンチャー企業の株式】
オープンイノベーション性等の要件を満たすベンチャー企業に対する出資の払込みとして経済産業大臣が証明(※)したものにより取得した株式。
※ 出資後に企業から提出を受けた資料を、経済産業省において確認し、出資した年及び特定期間(出資後5年間【改正案:3年間】)中、経済産業大臣が証明。
5G導入促進税制の見直し(案)
■「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、地方でのネットワーク整備を加速する等の観点から、インセンティブ付けのため税額控除率を段階的に引き下げること等とした上で、適用期限を3年間延長(令和7年3月31日)します。
【制度の概要】
5G法(※)の認定導入事業者が、認定導入計画に従って一定の5G設備の取得等をする場合には、税額控除又は特別償却ができる。
※ 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律
4 消費課税
自動車重量税におけるキャッシュレス納付制度の創設(案)
■ 規制改革実施計画(令和3年6月18日閣議決定)を踏まえ、申請者利便の更なる向上を図るため、自動車重量税の納付方法について、クレジットカードによる納付も可能とします。(令和5年1月~導入予定)
航空機燃料税の税率の見直し(案)
■ 航空機燃料税の税率の特例措置について、税率を見直した上で、適用期限を1年延長します。
沖縄県産酒類に係る酒税の軽減措置の段階的廃止等(案)
■ 沖縄の復帰に伴う激変緩和措置として設けられた沖縄県産酒類に係る酒税の特例について、復帰50年を迎え、酒類製造業界から提言がなされたことなどを踏まえ、沖縄の酒類製造業の自立的発展に向けた施策の一環として、最長10年をかけて段階的に廃止します。
5 納税環境整備
税理士制度の見直し(案)
■ コロナ後の新しい社会を見据え、税理士の業務環境や納税環境の電子化といった、税理士を取り巻く状況の変化に的確に対応するとともに、多様な人材の確保や、国民・納税者の税理士に対する信頼と納税者利便の向上を図る観点から、主に次の見直しを行います。
・ICT化とウィズコロナ時代への対応
・多様な人材の確保
・税理士に対する信頼の向上を図るための環境整備
記帳義務を適正に履行しない納税者等への対応策(案)
■ 所得税及び法人税の税務調査において、証拠書類を提示せずに簿外経費を主張する納税者などへの対応策として、必要経費不算入・損金不算入の措置を講じます。
事実の仮装・隠蔽がある又は無申告の年分(事業年度)において、確定申告における所得金額の計算の基礎とされなかった間接経費の額(原価の額(資産の販売・譲渡に直接要するものを除く。)、費用の額及び損失の額)は、次の場合を除き、必要経費(損金の額)に算入しない。
①間接経費の額が生じたことを明らかにする帳簿書類等を保存する場合
(災害等により保存することができなかったことを納税者が証明した場合を含む。)
②帳簿書類等により取引の相手先が明らかである・取引が行われたことが推測される場合であって、反面調査等により税務署長がその取引が行われたと認める場合
■ 記帳水準の向上に資する観点から、記帳義務の適正な履行を担保するため、帳簿の不保存や記載不備を未然に抑止するため、過少申告加算税・無申告加算税の加重措置を講じます。
所得税、法人税及び消費税の税務調査において、帳簿(対象範囲:一定の売上に係る帳簿)の提出の求めがあった場合において、次のいずれかに該当するときは、通常課される過少申告加算税・無申告加算税の割合に、10%加重(下記②については、5%加重)する。
①不記帳・不保存であった場合(提出をしなかった場合)
②提出された帳簿について、収入金額の記載が不十分である場合(記載が著しく不十分である場合は①と同じ)
※ 納税者の責めに帰すべき事由がない場合(災害等の場合)は上記の措置は適用しない。
財産債務調書制度の見直し(案)
■ 提出期限を後倒しするなど提出義務者の事務負担の軽減を図るとともに、適正な課税を確保する観点から、現行の提出義務者に加えて、特に高額な資産保有者については所得基準によらずに提出義務者とします。
詳しくは、こちらをご覧ください。
参照ホームページ[財務省]
https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian22.html