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2017.09.06
【経営】すべての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました
厚生労働省は、都道府県労働局に設置されているすべての地方最低賃金審議会が、今日までに答申した平成29年度の地域別最低賃金の改定額(以下「改定額」)を取りまとめました。これは、7月27日に厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会が示した「平成29年度地域別最低賃金額改定の目安について」などを参考として、各地方最低賃金審議会で調査・審議した結果を取りまとめたものです。
【平成29年度地方最低賃金審議会の答申のポイント】
・改定額の全国加重平均額は848円(昨年度823円)
・全国加重平均額25円の引上げは、最低賃金額が時給のみで示されるようになった平成14年度以降、昨年度と並んで最大の引上げ
・最高額(東京都958円)に対する最低額(高知県等8県737円)の比率は、76.9%(昨年度は76.6%。なお、この比率は一昨年度から3年連続の改善)
改定額の分布は737円(高知県、佐賀県、宮崎県、沖縄県など8県)~958円(東京都)。時給800円以上の自治体が前年の9都府県から7割増の15都道府県にのぼっています。答申された改定額は、各都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する調査審議(関係労使からの異議申出があった場合に開催)手続きを経た上で、都道府県労働局長の決定により、9月30日から10月の中旬までに順次発効される予定です。
新しい最低賃金で最も高いのは引き続き「東京都」で、26円上昇の958円、次いで「神奈川県」の956円(26円上昇)、「大阪府」の909円(同)、「埼玉県」の871円(同)、「愛知県」の871円(同)、「千葉県」の868円(同)と続く。対して、最も低いのは「沖縄県」など8県の737円で、「宮崎県」と「沖縄県」はともに23円上昇、他の6県は22円上昇したものの、最高の東京都とは221円もの差があります。
最高額と最低額の比率は76.9%(昨年度76.6%)で3年連続の改善となっています。なお、厚労省の中央最低賃金審議会は、経済状況などに応じて都道府県をA~Dの4ランクに分けて、26~22円の引上げ目安額を示していましたが、この国の目安を上回る引上げ額を答申したのは、「新潟県」(25円上昇の778円)、「鳥取県」(23円上昇の738円)、「宮崎県」と「沖縄県」(ともに23円上昇の737円)の4県で、いずれも目安を1円上回っています。
単純平均と加重平均の違い
単純平均
例えば、賃上げ額5,000円のA社と3,000円のB社があった場合、以下の計算式により単純に平均額を求めたものを「単純平均」と言います。
(5,000円+3,000円)÷2社=4,000円
加重平均
これに対し加重平均は、データのサンプル数(従業員数)によるウェイトを加味した平均となります。例えばA社の従業員数が100人、B社が10人とした場合、以下の計算式で加重平均を求めます。
(5,000円×100人+3,000円×10人)÷110人=4818.18円
このように従業員数に偏りがあればあるだけ、単純平均と加重平均の間に乖離が大きくなります。各種賃金統計では、従業員1人あたりの平均を求めることが基本となるため、加重平均が行われていることが通常です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000174622.html